6月5日、北朝鮮拉致被害者の会で初代代表を務めていらっしゃった横田滋
さんがお亡くなりになられました。
めぐみさんが拉致されたのが判明するまで20年、そしてそこからまた20年
以上が経過してしまい、めぐみさんとの再会が叶わぬまま天国に旅立たれました。
20年前に新潟県で勤務していた私には、拉致は非常にショッキングな出来事でした。
そして、追悼番組を見ていた際に、ふと丁度1年前の出来事を思い出したのです。
2019年5月28日朝8時過ぎ、神田で打ち合わせがあり電車に乗っていた時でした。
これからその打ち合わせで会う予定のYさんからショートメールが届いたのです。
「小学校1年生の娘が、通り魔に襲われたと連絡があったので、今日のアポイントは
キャンセルさせて下さい」
一体何が起こったのか…と混乱しながら、ネットニュースをみても何も出てい
ません。
暫くして「川崎の登戸で何人も人が刺され心肺停止の人がいる…」とニュースが流れました・・・。生徒1名とご父兄の方1名の尊い命が奪われた痛ましい事件でした。
その後、数か月経過してからYさんとお会いする事ができました。
Yさんはお元気そうに振舞ってはいらっしゃいましたが、疲労困憊な様子が伝わって
きました。娘さんは、事件後約半年間入院されており「右眼球破裂」で失明の危機が
あったものの、奇跡的な回復力で失明は免れ、現在は視力も回復している…等お話しを
して下さいました。
また病室でセラピー犬と笑顔で写っている眼帯姿の娘さんの写真を見せて頂きました。
一方、左腕を刺され、腕が不自由になってしまった上級生の生徒さんがいる事等
ニュースでは伝えられない事実を知る事となりました。マスコミや警察への対応でも
色々苦労されたようでした。
そして最後に、「事件の裏ではずっと苦しんでいる被害者や、その家族がいる事を
知って欲しい」と仰しゃいました。
今回のコロナ禍で亡くなられた方のご家族、退院した方、医療従事者ご本人と
そのご家族にも偏見と差別があると耳にします。
横田滋さんは、街頭の署名運動で、目の前で用紙を破り捨てられても、笑顔で低姿勢で
署名のお願いをしていました…。
自戒も含め、「本当にほんのちょっとだけ、相手の立場で考えたり、相手を思いやる
気持ちを持つことだけで、解決できる事が殆どではないか」考えるのは間違って
いますでしょうか…。